世界一になれたstory

「世界一になれたstory」

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ワインの専門雑誌WINE-WHAT! 4月号Vol.4巻頭特集
「今面白いのはワインな、仕事!」の一人として掲載頂きました。

経歴やワインとの出会い
ワインやチーズを通じて出会ってきた方々
私がチーズのコンクール出場に長年挑戦してきた理由、
コンクールを通じて学んだことなどなどご紹介頂きました。

今回ご取材いただいたことで、
そして記事にしていただいたことで
あらためていろんな想いがあふれてきて、頭の中を駆け巡りました。

「世界一」のタイトルにこだわった理由のところがクローズアップされてしまいがちな私でしたが、
今のありのままの等身大の私の想いやこれからの夢を少し綴ってみようと思います。

「世界一になれたstory」

空の世界でサービスの楽しさを知った。
そしてワインを学び、チーズを学んできて、
世界の舞台でチャレンジし続けた。
そこで感じたことは、
巨大な「西洋の文化という壁」を超えられない現実。
そこで立ち止まっていた。
チャンスさえあれば。。と挑戦し続けることで諦めずにいた。

ただ、そこに確かな正解は見当っていなかったが、
そう進むしか道はなかった。

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そんな時、
「食育」にこだわる一人のデザイナーと出会ったことで、新たな文化が自分に開けた。
つまり、チーズでもストーリー性を感じる「見え方」、
人をワクワクさせる「見せ方」にも技術があるということに触れた。
今までにはない新鮮な文化を体験したのだった。

それを教えてくれたのが現社長である建築・空間デザイナー金子敏春である。
彼は「食」に対する強い想いがあった。
それが「食は、命を養う元であり、楽しさを作る材である。」という考えであった。

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チーズスクールの開校と同時に、再び訪れた世界コンクールというチャンス。
準備の中で、これまでの経験値を試される課題には万全を期せたつもりだが、
「アーティスティックテスト」という全く新しい課題に壁を感じていた。

創造性を試されるこの課題に対して、私のこれまでの経験値では、
乗り越えられるアイデアが全く浮かばなかった。

不安が募る中、ふとした時に私の勤める場所はデザイン事務所だと気付く。
「食のアート性は楽しさ(HAPPY)に続く」という食に対する深い価値観を
持っている彼なら相談できると思った。
ここで、どうしても越えられない西洋の壁の乗り越え方を相談したかったのだ。

金子は、まさに洗練された戦略概念を持ってコンクールの中身を分析してくれた。
そこから発想される形には、とても斬新で、構築されるデザイン論を目にするたび、
新しい発見の毎日だった。
チーズの「見え方」・「見せ方」にストーリー性を感じ、
誰が見ても楽しさを感じる夢のような造形を計画してくれたのだ。

「これならいける!」

ただ自分は、忠実にこの夢の形を楽しんで実現すれば必ず先が見えてくる。
その一念しかなかった。
夢のコンクールを終えた後、頭が真っ白になっていた。
心の中は、
「やりきった」という気持ち。

優勝☆
の響きを聞いても信じられない思いに浸っていた。

それから半年、自分に酔っていた時期も経験した。
メディアからオファーがあっても、その苦悩の末に勝ち得た優勝の秘話を、
うまく伝えられなかった。
だから本当の意味で社会にうまく響いていかない。
それもよく体験した。

そんな中、教室運営を通して、金子に様々な角度で社会構造のイロハを教えられる。
コンクールでは、一番身近な支えであったのに。
そして一番的確に結果へとアプローチしてくれていたことを見失っていたことに気づいた。

時が立ち、振り返って思うことは、こうである。
ただ思いだけでは、実現できないこともある。
こうして実現できたのは、本当にラッキーだと感じる。
たとえ実力があっても、出会いに恵まれていなければ形にはならない。
実力と結果は比例しないという真実を知って思った事は、
「出会いを大事にする気持ちが一番大切だということ」だった。
今、こうして世界一の切符を手に出来たのは、まさに結果までのプロセスを
作り込んでくれた金子のお蔭だと心から感謝している。
そんな金子から私が世界一になったことで、
自分には新たなミッションがあることを再び教えられた。
それがどんな意味を持ち、どんな役割を担っていくべきかを金子に問われた。
私は今、社会的役割を持つことの自覚が植わったのだ。

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コンクールにこだわっていた私にとって、いつの間にか手段に見えていたチーズも、
今では心から大好きになった。
そして幼い時からチーズが大好物だったと語る金子が、
専門であるアートをもって社会に発信したいこと。
それは食にも『Happyを創る「見せ方」・「見え方」の技術がある』ということ。

アート性とは、それが人を喜ばせ、新しい発見をもたらす、
まさに感動を提供できるマジックのようなもの。
それがデザイン性であり、食のアート性というものだと私は学んだ。

金子は私にこうも言ってくれた。
「村瀬のチーズの知識と技術は、本当に豊かなもの。
一流であることは前提としてしか色んな話をしていない。
あなたでなければ本気でデザインを託さなかった。
そして豊かな経験をしているからこそ、本当の意味でチーズにアート性を重ねた
新しい文化を発信することができる。あなただから出来ることなのです。」と。

人は、本当の信頼の中で成り立つものだと深く刻まれた。

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「食す」

という行為が大事なのではなく、食すまでの行為が最も大事なのだ。
「人と楽しんで、豊かに食す」こと。人はこれが一番美味しいと感じる。
「゛食゛は、人の五感を通して口に入り、゛気持ち゛を食すから
本当の美味しさと感動に出会える。」
この金子の持論に深く共感している。

デザインがなぜ「食育」なのか?
今は心から合点がいく。
食にある美味しさという感動の価値観が、アートの世界にも存在していたということ。
コンクールを通して、そしてスクールを通して、そう金子に教わった。

私の名前にある通り、「美幸」という字に現れる「美しさ」と「美味しさ」という響き。
そして「楽しさ」の先に「幸」があるという響きを信じて、これまで培ってきたチーズの世界を、
アート性という領域を元に皆様に「Happy」を届けたい。
そう願いつつ、両親の想いと自分の人生を重ねて、これからも夢の続きを歩んでいきます。

Miyuki

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